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2011-03

破産管財人に譲渡資産についての「お尋ね」が届いたら

土地建物を譲渡するなどして、登記名義が動くと、税務署から「お尋ね」が届くことがあります。
これは
 「土地建物を売ったりして売却益が出たら確定申告しないといけないよー。
 アンタこの前不動産売ったみたいだけど大丈夫かい?
 確認して、もし申告しなければならないなら忘れずに期限内によろしくね」
という趣旨の文章です。

破産管財人が、換価作業として不動産を譲渡した場合、破産管財人宛にこの「お尋ね」が届くことがあり、
 「これはどうしたらいいのかな。無視しててOK?」
と聞かれたりします。

で、管財人の代わりに税務署に電話して
 「これって管財案件なんですが、回答しないとダメですか?」
と質問すると
 「あーそうなんですか。では了解です。回答不要です」
と言われることがほとんどなんですが、
税務署的にはどう扱うのが嬉しいのか、いまひとつよく分かりません。

ま、「お尋ね」そのものは回答義務なんぞ一切無いシロモンなんですが。


・・・

 ところで一般的な話として、土地建物を譲渡した場合に譲渡益が発生していれば、譲渡所得税を払わねばなりません。
 しかしながら破産管財人が財団形成のために不動産を譲渡した場合には、普通は譲渡所得税は課せられません。

これの根拠はどこにあるかということですが、
「管財人が譲渡しても税金を納めなくてよい」というような類の規定はありません。

個人の管財案件である場合には、所得税法第9条の適用になるのでしょう。

(非課税所得)
第9条 次に掲げる所得については、所得税を課さない。
・・・(略)・・・
10.資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合における強制換価手続による資産の譲渡による所得その他これに類するものとして政令で定める所得

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破産申立前の案件に関与してみました

管財税務というわけではありませんが、破産申立前の案件についてのチェックを行いました。
依頼者は、これから破産を申し立てようとする弁護士。

「粉飾があるようだ」との話なので、3年分の決算書を横並びにして比較します。
で、該当しそうな取引先が見つかり、「この会社は?」と聞くと、関連会社であるとのこと。

というわけで、この会社との取引経緯やら詳細を聞いてみることにしました。
さてどうなることやら。


【その後】
残念ながら還付は困難の見込。
粉飾があることについては固いものの、どうも滞納の国税がかなりある模様。

あー残念無念。


【更にその後】
先日の破産申立前の案件でチェックしていた件、残念な結果にはなったものの、
申立代理人の弁護士の好意により、粉飾の存在について私が作成したレポートを申立書に添付する方向で進めてくれることに。

申立の際「破産に至る経緯」を記すに際し、粉飾決算の存在については充分に確認・検討するのが大切なので、それに対して使えると判断してくださった模様。ありがたや~。

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租税等の請求権における破産債権・財団債権の区分

租税等の請求権としていろいろあるけれど、どんなのが破産債権になって、どんなのが財団債権になるかということについては、当然ながら間違えてはいけないところです。

破産債権と財団債権とでは、債権者の立場からいうと、圧倒的に扱い(弁済の方法など)が異なるからです。


●財団債権

租税等の請求権のうち、財団債権となるものは、次の3種類。

(1) 破産手続開始「前」の原因により発生した租税等の請求権で、手続開始当時において次のもの
 ・納期限が未到来
 ・納期限から1年を経過していない

(2) 破産手続開始「後」の原因により発生した租税等の請求権で、財産の管理、換価及び配当に関する費用に該当するもの

(3) (1)および(2)(=財団債権である租税等)の請求権の延滞税
 (破産手続開始決定「前」に発生すると「後」に発生するとを問わない)

 
●優先的破産債権

租税等の請求権であり、破産者に対し破産手続開始前の原因に基づいて生じたものは、個別の規定により「財団債権」又は「劣後的破産債権」とされるものを除くほかは、すべて優先的破産債権となる。

具体的には次のものが該当する。

(1) 破産手続開始「前」の原因に基づいて生じた租税等の請求権であって、破産手続開始時、納期限から1年を経過したもの。

(2) (1)に関する延滞税等のうち、破産手続開始前に発生するもの。


 
●劣後的破産債権

租税等の請求権の中で、劣後的破産債権となるものは次のものが該当する。

(1) 破産手続開始「後」の延滞税等で、本税が破産債権であるもの。
 ・・・本税の性質が破産債権であり、延滞時期が破産手続開始「後」であるもの。

(2) 破産手続開始「後」の原因に基づいて発生した租税等の請求権のうち、破産財団の管理、換価及び配当に関する費用に該当しないもの
 ・・・破産法148条1項2号の反対解釈。

 (実例としては以下のようなもの)
 ・破産財団から放棄した後の建物が売却された場合の消費税
 ・破産財団から放棄した年の翌年以降の破産法人所有不動産に対する固定資産税

(3) 加算税等(無申告加算税・不納付加算税・重加算税など)
 ・・・発生時期を問わず(破産手続開始「前」「後」を問わず)、すべて劣後的破産債権となる。



破産債権は、優先順位の高い順に、
 ・優先的破産債権
 ・一般的破産債権
 ・劣後的破産債権
 ・約定劣後破産債権
に分けられています。
で、それぞれの上位債権について全額の配当がなされないと、次順位の破産債権への配当はされません。

劣後的破産債権への配当は、私の見聞きしたケースに限って言うと、なかなか行われていないようです。


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破産債権と財団債権(定義・異同)

管財業務において外せない用語として、この「破産債権」と「財団債権」があります。
この用語に関しての理解は、管財税務上においても大切です。



【定義】

■破産債権とは:

・破産者に対し破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権で、財団債権に該当しないもの(破産法2条5項)
・政策的に、破産手続開始後の原因による債権も一部、破産債権に加えられている。


■財団債権とは:

・破産手続によらないで破産財団から随時弁済を受けることができる債権(破産法2条7項)
・原則的に、破産手続開始「後」の原因により発生する。
・本来的には、破産手続の遂行に伴って必然的に発生する債権をいう。


【異同】

■破産債権

・破産手続内でのみ行使可能
・債権調査の対象となる(届出・認否・確定など)
・弁済方法は配当手続のみ
・免責対象となる


■財団債権

・破産手続外で行使される
・債権調査の対象とならない(確定が必要な場合は訴訟による)
・任意の方法で弁済できる
・免責対象とならない


・・・・・
財団債権となるものは任意弁済可能なので、債権者平等の考え方からいうとむやみに認めるわけにはいかないが、とはいっても破産管財業務の適正な遂行のためにはどうしても必要になるものというのも存在するので、必要最低限なものは破産手続外でも行使できるようにしましょう。
・・・という考え方になるのでしょうか。むぅ。

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未払賃金・退職金の配当の際に破産管財人は源泉徴収すべき?

未払賃金や退職金などを、破産債権に対する配当として支払った場合の話です。

賃金や退職金の支払というのは「所得税法上では源泉徴収をすべき支払」となるのですが、このような債権に対する配当をする際に、破産管財人が源泉徴収をする義務があるか?という論点があります。

これについては、平成23年1月まで、通達等でもあまり明記されておらず、時々悩むことがありました。
実務的には、これらの場合に源泉徴収がされることはほとんどないでしょう。
裁判所の指導・運用でも、特に源泉徴収は必要とされていないようです。


で、判例では、「退職金債権に対する配当から源泉徴収する義務がある」としたものがあり(大阪地裁平18.10.25)、実務的には一石を投じていました。というか、こんなんやってられませんわーという実務界の話があったところです。

その後これは上級審で取り消されました(最高裁平23.1.14)ので、管財人側としてはやれやれというところです。


また、上記最高裁判決を受け、国税庁Webでも「お知らせ」なるものが載りました。
http://www.nta.go.jp/gensen/oshirase/index.htm
(注:上記アドレスは記事作成日現在のアドレスですが、今後、別アドレスになる可能性があります)

これによりますと、「すでに源泉徴収した分は過大納付になるため、破産管財人は還付を受けることができますよ」という話になるみたいですが、結局その分は、管財人→退職者と流れて、その退職者が今度は確定申告しなさい、という話になりますので、なんだかなぁというところですね。

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「残余財産確定の日」はいつになるか?

破産管財の場合、いつが「残余財産確定の日」になるのかについての明文規定は無いようです。
ということで、すべての換価手続が完了した(財産が確定した)時点でとりまとめ・提出するのが望ましいと思います。


私の場合、以前は、「残余財産確定時点=最終の集会等が終わった時点」という考え方を持っていたこともありましたが、そうすると仮に還付がある場合、収納のタイミングとの兼ね合いで問題が生ずる可能性があるんですよね。

最後の集会が終わる → 税申告を行う → 還付金が発生 → 財団増えますやん。これはマズイ。
てな感じです。


ということで、換価手続きが完了し「もうこれ以上換価するものがありません」となった時点(=残余財産が確定した時点)で、速やかに手続きを行うように段取りを考えておくことが必要です。

手配する書類としては、
 ・財産目録
 ・収支計算書(換価完了時分)
となりますでしょうか。

この最終の税務申告により還付金が発生する場合には、管財人はその金額を破産財団に織り込む(収支報告書にその金額が記載される)のが原則ですので、その数字を早めに確定させ、かつ早急に還付を受けるよう急いで手続きをすることが肝要です。
(税務署からの還付税額の支払には、早くて1ヶ月前後、下手すると2ヶ月以上かかったりします)


なお最後の申告書の提出期限は、財産確定の日の翌日から1ヶ月以内です。
モタモタしているとあっという間に過ぎてしまいます。
(その期間内に残余財産の最後の分配が行われる場合には、その行われる日の前日までです。更にタイトになるので要注意です)

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申告書には「事件番号」を記載したメモを添付する

管財案件の申告書を提出した先である自治体の税務課から、電話が来たことがあります。

 「破産者の株式会社ABCで申告書を頂いた件ですが・・・」
 「はいはい、何でしょ」
 「事件番号を教えてください」
 「はぁ・・・・管財人から通知が行ってません?」
 「あー、いや、分からないんですよー」

なぜ事件番号が必要なのか確認してみたところ、破産管財人宛に作成される「交付要求書」には、当該番号を記載する箇所があるので、そのために必要とのこと。
今回は滞納地方税が無かったから、債権者通知の対象となっていなかったんでしょうか。

ということでこれ以降、申告書には、概要・事件番号を記載したメモを添付することにしました。

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管財税務申告をどの税理士に依頼すべきか?

これはまず、従来からその会社の顧問をしていた税理士に依頼するのが、最もスムーズに作業が行われると思われます。
会社の状況が分かっているということもありますし。


しかし、次のような理由により、別のところに依頼するほうがいいこともありそうです。

・破産する法人が顧問料を滞納していたりして、顧問税理士がやる気が無い。
・顧問税理士自身が、「自分の経営指導不足により法人を破産に追いやった」と責任を感じていて、破産に関する申告を行う気力が無い。
・顧問税理士自身、破産に関する税務申告についての知識が不足しており、申告書作成能力に疑問がある。


それと、コストの問題も大切です。
依頼費用が「財団債権」として破産財団の負担となりますから、裁判所と相談することになります。
申告にかけることができるコストは、財団の規模によって変わってくるのでしょう。

そういうニーズを読み取って、税理士側も対応せねばならないと感じております。

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破産手続における「残余財産の価額」とは?

【注意】以下の記述は、平成22年税制改正により、平成22年10月1日以降破産手続開始決定となった法人については、考慮不要となっております。



破産法人の清算所得計算においての「残余財産の価額」をどう計算するか?ということについてです。
この価額は、管財業務にて作成される「財産目録における換価額」とは別になるのが通常です。

残余財産の価額は、解散時B/Sの「資産-負債」をスタートとし、そこから解散時資本金をマイナスした金額がイメージになります。
破産するような会社は通常、「資産-負債」は大幅にマイナス、つまり純資産の部が大幅にマイナスになるので、基本的には残余財産は生じません。

清算確定申告書に添付する別表20(3)には、「残余財産の価額=0」「最終の清算所得金額の数値=0」と記すことになるのが普通です。



なお、通常の(破産手続を経ない場合の)残余財産の価額は、

 ・資産価値のある資産を売却して現金化する。
 ・売掛金等の債権を回収して現金化する。
 ・買掛金当の支払うべき債務を支払う。

以上の手続きを経た後に残った財産、として計算されます。

破産の場合は、支払うべき債務がやたらと多いので、通常は残余財産が算定されないと判断します。

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破産管財人報酬は「事業所得」か「給与所得」か?

経験上、この点に関して、実務において「どっちがいいのだろうか」と悩んだことはありません。
管財人報酬は、通常の弁護士報酬と同様、「事業所得」として取り扱うのが一般的です。


しかし具体的執務状況によっては、給与所得としての取扱が考えられるかもしれません。
といっても「可能性もある」というレベルですが・・・。

ものの本を見ますと、例えば破産管財人が、
 ・破産会社に執務室を設置している
 ・管財業務の大半を、その執務室で行っている
というような場合は、その業務が独立的業務でないということで、給与所得として捉えられることもあるかも・・・しれないようですね。

で、給与所得として扱われると、事業所得の場合と比べてどうなるかということですが、
源泉所得税の額や、確定申告の際の取扱が、異なることになりますね。

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