Home > 弁護士の税務会計 > 立替実費の経理処理

立替実費の経理処理

  • 2011-09-24 (土) 13:16

訴訟提起印紙や郵券のための金額を支出した場合、これはどう経理処理するのでしょうか?
租税公課とか通信費とかで、経費処理していいのですか?



 その支出が立替金としての性格、すなわち後日、依頼者から別途受領するとか、回収した金額と相殺するとか、そうする予定のものであることが支出時に確定しているのであれば、支出時には「立替金」として扱います。つまり支出時には経費処理しません。
 実務的には「立替実費」とか「立替金」いう勘定科目を作成して処理しています。

 【仕訳】支出時
 (借方)立替実費 xxx (貸方)現金預金 xxx


立替実費として処理するものは、前述した訴訟提起印紙や郵券のほかにもいろいろあります。
 ・案件処理のための交通費
 ・23条照会のための費用
 ・書類送付のための郵送代
 ・戸籍等手配のための小為替
などが該当するでしょう。


この立替実費については、回収した際に立替金の受領として扱います。

 【仕訳】回収時
 (借方)現金預金 xxx (貸方)立替実費 xxx


立替として扱わない方法、即ち
 ・実費が依頼者等から入金された際に、それを収入(売上)として処理する
 ・実費を支払った際に、それを経費の支出として処理する
というやり方も考えられなくはないですが、
感覚的にどうしてもシックリ来ないのと、そもそもそのような処理をしますと、「実費の入金=売上=消費税の課税売上として扱う」こととなりますので、結果的に弁護士側に不利になる可能性が高くなります。

 なので、そういう経理処理は通常行いません。
 例外的に、通帳入金の内訳が全くわからない、つまり「これは売上なのか、実費の入金(回収)なのかが分からない」という場合には、入金=売上、支出=経費として扱わざるを得ないケースもありますが・・・。そんな処理はしたくないところです。


 で、これらの立替実費が、将来的に回収できればいいのですが、それがどうしてもできない場合には、回収できないことが確定した時点において、経費処理して構いません。
 その際の経費科目は、例えば印紙代ならば「租税公課」、郵券なら「通信費」というところかと思いますが、便宜上を考慮し「事件費」などという科目を使用して処理することもあるようです。

 【仕訳】回収不能確定時
 (借方)事件費 xxx (貸方)立替実費 xxx



 また、最初の支出時で、既に立替金としての回収ができないことが確定していることもあります。
その際にはダイレクトに経費処理して構わないでしょう。

 【仕訳】支出時に回収不能が確定している
 (借方)事件費 xxx (貸方)現金預金 xxx



 立替実費については、案件が継続中であるなら、決算時点において未精算(未回収)の立替実費が残っていることが通常です。
従って青色申告65万控除を適用している際には、この金額を貸借対照表に計上することになります。

 また、決算の際には、それまでの立替実費の内容を精査して、「これはもうどこからも回収できませんわー」というのがあれば、それは決算の時点で経費処理してしまうのがいいでしょう。
 私の場合は決算時に、
 「事件の進捗状況を確認して、立替金のうち回収不能になっているものをリストアップしてくださいな」
という依頼を行っています。
 

Home > 弁護士の税務会計 > 立替実費の経理処理

Search
Feeds
Meta

Return to page top