Home > 弁護士の税務会計 > 実費相当額に源泉をされるのは正しいのか?

実費相当額に源泉をされるのは正しいのか?

  • 2011-09-23 (金) 11:20

保険会社からの弁護士報酬とかによくあるんですが、実費相当額からも源泉されていることがあるんですよね。
これって正しい処理なんでしょうか?
手取りが少なくなるので何とかしたいんですが。



例えば弁護士報酬が100,000円で、旅費等の実費が28,400円がかかったとして、合計128,400円を請求したところ、源泉所得税額が10,000円ではなくて12,840円を差し引かれて振り込まれたいうケースですよね。

実は、この処理は正しい処理です。(個人的にはちょっとと思いますが)

まずはこのタックスアンサーが分かりやすいです。
No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは

後半部分に、こうあります。

2.注意事項

(2) 謝礼、研究費、取材費、車代などの名目で支払われていても、その実態が報酬・料金等と同じであれば源泉徴収の対象になります。しかし、報酬・料金等の支払者が、直接交通機関等へ通常必要な範囲の交通費や宿泊費などを支払った場合は、報酬・料金等に含めなくてもよいことになっています。


・旅費とかの実費を報酬支払者へ払うとき →実費は報酬に含める →源泉は必要
・旅費とかの実費を、支払者が直接、交通機関・ホテル等に払うとき →実費は報酬に含めない →源泉は不要

という解釈になります。


これは所得税法基本通達204-2とか204-4にある内容なんですが、

(報酬、料金等の性質を有するもの)
204-2 報酬、料金又は契約金の性質を有するものについては、たとえ謝礼、賞金、研究費、取材費、材料費、車賃、記念品代、酒こう料等の名義で支払うものであっても、同項の規定が適用されることに留意する。

(報酬又は料金の支払者が負担する旅費)
204-4 報酬又は料金の支払をする者が、これらの号に掲げる報酬又は料金の支払の基因となる役務を提供する者の当該役務を提供するために行う旅行、宿泊等の費用も負担する場合において、その費用として支出する金銭等が、当該役務を提供する者に対して交付されるものでなく、当該報酬又は料金の支払をする者から交通機関、ホテル、旅館等に直接支払われ、かつ、その金額がその費用として通常必要であると認められる範囲内のものであるときは、当該金銭等については、204-2にかかわらず、源泉徴収をしなくて差し支えない。

というところを拠り所としているようです。


なぜこのような扱いになっているのかという趣旨についてはあまりはっきりしませんが、
 「実費見合いとして受け取っても、その金額をきちんと全額、実費として使うかどうかははっきりと分からないから」
という理由によるものでしょうか。

しかしやはりどうも違和感が残ります。

例えば弁護士が依頼者と報酬の話をする際に
 「そうですねー。ではこの案件については着手金50万と、実費はザックリと30万にしときましょか」
てな話であれば、源泉はトータル80万に対してかかるの止むなしというところでしょうけど。

10円単位でかかったコストを計算して請求しているのに、その分からも源泉されてしまうというのは、どうも腑に落ちませんですね。


源泉徴収は支払側の義務ですから、税務署から「源泉足りませんから納めてね」と言われてしまうリスクをできるだけ避けるために、お固いところ(例えば保険会社とか)はかなり厳密に計算してくるのかもしれません。

受け取る側は資金繰りが悪くなるので勘弁してくださいな、というところですが、まぁ確定申告の際での収支計算には影響を与えませんので、ある程度は諦めないとしょうがないのかなーというところでしょうか。


ちなみに私見ですが、弁護士側から請求書を起こす際には、例えば最初の例ですと、源泉は10,000円として計算して出してもいいと思います。
(調査があったとしても、そこはそれほど大きな問題にはならないだろうという感覚です)

もちろん、請求書の内訳として、実費の内容を細かく記しているという前提あっての話ですが。

Home > 弁護士の税務会計 > 実費相当額に源泉をされるのは正しいのか?

Search
Feeds
Meta

Return to page top