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破産申立以前の税申告が無い・内容が分からない場合は?

  • 2012-10-07 (日) 14:55

破産法人について、破産申立以前の税申告をやっていないことが判明しました。
そういうときってどうしたらいいんでしょう?


時々あるんですよね、こんなこと。
税務申告どころではない、という状況だったと推測されます。あるいは当初から無申告だったり。


●申立以前が全くの無申告である場合には、従前の会計データなどが全く分からないので、申告しようにも何ともできない、というところかと思います。
 「うーん困りましたねー。遡って申告するとしても、データが全く分からないから何ともしようがありませんし」
てな感じです。

となると
 「申立て時点で進行している事業年度の分についてだけでも、何とかなりませんか」
という話になります。
が、法人税の申告は、事業年度中の取引を継続して記録し、それを元に決算を行い、それから法人税・消費税への申告へと進みますので、事業年度中の取引が分からないと手も足も出ないというのが実情です。


●しかしながら、最近(平成22年10月1日以降の破産手続開始決定)についてはちょっと状況が変わりまして、
 「会計関係の資料なども散逸しており、従前の会社の担当者などから状況をヒアリングするのも困難。よって、引継資料から税務申告書を作成することが出来ませーん」
というような場合には、
 「過去の経理状況はさておき、破産手続開始決定時点での財産負債状況だけから判断して、申告書を作成しないとしゃーないよね」
という流れになっております。

これについては、下記ワーキンググループの事例などがありまして、現時点でひとつの処理基準となるでしょう。

事業再生支援機構:
http://www.shojihomu.co.jp/jigyo-saisei.html

ここでの「平成22年度税制改正後の清算中の法人税申告における実務上の取扱いについて」が参考になりますね。


●また、「過年度の税務申告はしているはずなんだが、申告書の控えが見つからない」という場合には、税務署で閲覧が可能です。
 破産管財人や、その人から委任を受けた税理士であれば、所定の書類・委任状を作成することにより、所轄税務署で過年度申告書を閲覧することが可能です。

国税庁:申告書等閲覧サービスの実施について(事務運営指針)
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/jimu-unei/sonota/050301/01.htm

 しかし出来るのは閲覧のみであり、コピーは出来ませんので要注意です。デジカメ等での撮影もNGです(経験則)
 実際に見に行く際には、税務申告書の内容が理解できる人が行かねばならないでしょう。
 私の場合は、申告書の様式白紙(税務署に手書き用の用紙がある。もしくは国税庁Webからダウンロード可)を用意しておいて、閲覧しながら、内容を手書きで写していくという方法を取っております。


●法定申告期限を大きく経過してもなお申告が無い場合、税務署や自治体から「税申告してください」という通知が届くことになります。これを無視しまくるわけにもいかないので、何らかの対応をすることとなるでしょう。

法人が破産した場合に、税務署や自治体がどのように対応するかについてはケースバイケースです。

破産の事実を通知したところ
 「破産ですか~。じゃあ結構です。あとはこちらで処理します」
というところもあれば、
 「うーん、そうはいっても、破産しても申告をする必要があるので、申告書を提出してください」
というところもありますので、個別の反応に応じて対応することとなるでしょうか。


●破産開始決定時に滞納税額がある場合は、債権者通知の対象となるので、当該税務署や自治体にはその破産の通知が行われることとなります。
→つまり税務署・自治体等がその事実(破産の事実)を知っていることとなります。

 しかし滞納税額が無い場合で、その通知を行わなかったとすると、税務署等はその事実を知らないことになります。
 ですからそのような場合には、破産手続開始の旨を別途連絡をしたほうが、後々は面倒くさくならずに済むのでオススメかと思います。

 この別途連絡する方法というのは、電話で担当部署に電話するなどでもいいのですが、それよりも一般的には「異動届出書」なるものを提出することになるでしょう。
 異動届出書というのは、法人についていろいろ変更があったときにその変更内容を遅滞無く届出するための書類です。

(参考)国税庁:異動事項に関する届出
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_5.htm

 フォームは各自治体によって定めているケースが多く、自治体のWebサイトを見れば案内が記されていることも多いのですが、個別の自治体別にわざわざ作成するのも手間がかかるというのであれば、税務署に提出するフォームを使用し、宛て名を「○○税務署長殿」から「○○市長殿」などに変更すれば、大体は使用可能です。

・法人名:破産法人
・本店所在地:従前の本店
・事業年度:○月×日から□月△日まで
・異動事項:◆月◆日 破産手続開始決定

くらいを記せば充分でしょう。
 これと、破産手続開始決定の通知書コピーを添付して、所轄税務署とか都道府県税事務所・市町村役場へ郵送します。


 なおこれら一連の方法は、法令で定められた方法ではありません。なので、基本的には個別対応です。
 一度それぞれ、該当官庁等に電話で確認してからアクションを起こすのがよいと思います。

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