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延滞税の免除についての規定は?

  • 2011-08-08 (月) 22:50

「管財人が破産法人に関する税金を納める場合には、延滞税が免除される」という話を聞きました。
しかしながら「延滞税は絶対免除されるわけではない」という話も耳にしています。
この点、法令上はどのように規定されているんでしょうか?



●「延滞税の免除」については、まず、国税通則法第63条6項に次のように規定されています。

国税局長、税務署長等は、次に該当する場合には、当該国税に係る延滞税につき、それぞれに定める期間に対応する部分の金額を限度として、免除をすることができる。
一.(略)
二.(略)
三.(略)
四.政令で定める場合・・・政令で定める金額

これだけでは何のこっちゃ分かりませんね。で、次に進みます。


●国税通則法施行令第26条の2には、次のようにあります。

国税通則法第63条6項四に掲げる場合とは、次の場合とする。
一.国税徴収法に規定する交付要求により交付を受けた金銭を、当該交付要求に係る国税に充てた場合
・・・・・当該交付要求を受けた執行機関が強制換価手続において当該金銭を受領した日の翌日からその充てた日までの期間

どうやら、交付要求に基づき、「執行機関」がカネを受領すれば、延滞税が免除される、ということになりそうです。


●で、ここで、破産管財人は、国税徴収法上、執行機関であると定義されています。
(国税徴収法・第二条(定義)13)


●従って以上をまとめると、
「破産管財人が交付要求を受けた国税の金額を管財人口座に組み入れている場合において、その国税を納付したときは、その国税についての延滞税については、免除を受けることができる」
と読めることになります。

つまり延滞税免除の趣旨は、
「破産管財人は国の機関としての扱いであり、そこの口座に入金があった時点において、国庫金のようなものになってしまっているから、その時点からは、延滞税がかかることは無い」
・・・ということです。


なお、国税通則法施行令26条の2に「当該交付要求に係る国税に充てた場合」とあることから、厳密に言うと延滞税の免除は、「破産管財人の口座に入金があった時点」で確定するわけではありません。

・破産管財人から国に国税相当額が納付された後に、
・その相当額をいつ管財人が受領していたか(=いつ管財人口座に入金されていたか)を確認し、
・その受領日が法定納期限等より前であることが確認されれば、
・延滞税が免除される
という流れになります。

ですから交付要求に記載されている滞納税額について、
 「もう管財人口座に入っているからさー、現時点で延滞税を免除しておくれ」
と税務署に言ったとしても、
 「それはダメよん。まずはサッサと(本税を)納めてね」
と言われるわけです。


・・・とまぁ、これぐらいの理解で十分と思われるのですが、実務上は、もう少し細かい話を経験したことがあります。
それは以下のとおりです。


国税通則法施行令26条の2に記されている
 「一.国税徴収法に規定する交付要求により交付を受けた金銭を、当該交付要求に係る国税に充てた場合」
においていう
 「交付要求により交付を受けた金銭」
とは、破産管財人等からの支払により税務署に支払われた金銭をいいます。

税務当局側に言わせると、
 「交付要求により交付を受けた金銭」とは、
 税務署側が「交付要求受入金」として処理した金銭
をいうらしいです。

これだけだとごくごく当たり前のことを言ってるだけですが、ここでひとつ注意点があります。
何かというと、「交付要求が出されたあとに、別の還付申告が行われた場合」です。

通常、未納(滞納)税額がある場合に、別の還付申告が行われた場合には、その還付税額は滞納国税に充当されます。
ということは、この充当された還付税額は、当然ながらこちらから税務署に納めたものと同じように扱われるものだと思います。

が、この場合の充当は、上記規定中の「交付要求により交付を受けた金銭」には該当しないようです。
つまり税務署側は、「交付要求受入金」として処理しない模様です。
(交付要求に従って納められたものではない、という趣旨のようです)

従って、このような充当があって滞納目録に記載されている国税が減額・消滅した場合においても、延滞税相当額については免除が行われないことになります。

 
よって破産管財人としては、

・納付申告を先に出す ・・・・交付要求により本税を発生させる
  ↓
・交付要求に記載された本税を先に納付する
  ↓
・延滞税の免除を受ける
  ↓
・還付申告を提出する ・・・・還付金がまるまる還付される

という流れをとるのが、最も財団の減少を防止する方法、ということになります。

 
●上記の流れを優先すると、法定申告期限内に申告書が提出できないケースも有り得ますが、財団の減少を防止するためには止むを得ないところかもしれません。

しかし期限内に申告書を提出しない場合には、税務署等から問い合わせが来る可能性が高くなりますので、その際は割り切った対応が必要となると思われます。

 
●なお還付税額がある場合の充当については、充当「しなければならない」規定である(国税通則法第57条)です。
従って、「この還付額を滞納税額に充当したら延滞税が免除されないので、還付額は滞納国税に充当せず、別途管財人口座に還付してくれ」という要求は通りません。

 
●結論としては、
「課税期間の異なるごとに、納付申告や還付申告が混在する際には、申告書の提出タイミングについては注意が必要である」
ということです。


しかしまぁ面倒くさいですねー。
何とかならんもんでしょうか。



【余談】
地方税については、各自治体が独自の条例制定権を有しますから、破産手続開始前の延滞金を免除してくれる場合もあります。

ということで、通常は免除が認められない、破産手続開始決定「前」の延滞金についても、ダメもとで免除申請してみるのもアリかもしれませんね。


なお、国税でいう「延滞税」は、地方税においては「延滞金」と呼びます。
まぁそんなことはどうでもいいんですが。

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