Home > 破産管財税務 > 過大申告・仮装経理による更正の請求とは?それはどう行うか?

過大申告・仮装経理による更正の請求とは?それはどう行うか?

  • 2011-10-24 (月) 7:57

「更正の請求」をすると税金が戻ってくる云々という話を聞いたんだけど、それってどういう規定なの?で、その方法は?


更正の請求とは、
 「一旦確定させた税額が間違っていたから、訂正してください。んで多く納めすぎていた税金を返してちょーだい」
と請求する手続です。
納税者側から税務署への手続です。

更正の請求としては
 ・一般の更正の請求 (国税通則法の規定)
 ・仮装経理による更正の請求 (法人税法の規定)
が挙げられます。


■一般の更正の請求

(国税通則法第23条)  
納税申告書を提出した者は、次に該当する場合には、当該申告書に係る国税の法定申告期限から1年以内に限り、税務署長に対し、その申告に係る課税標準等又は税額等につき更正をすべき旨の請求をすることができる。

一  当該申告書に記載した課税標準等若しくは税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったこと又は当該計算に誤りがあったことにより、当該申告書の提出により納付すべき税額が過大であるとき。

二  前号に規定する理由により、当該申告書に記載した純損失等の金額(当該金額に関し更正があった場合には、当該更正後の金額)が過少であるとき、又は当該申告書(当該申告書に関し更正があつた場合には、更正通知書)に純損失等の金額の記載がなかったとき。

三  第一号に規定する理由により、当該申告書に記載した還付金の額に相当する税額が過少であるとき、又は当該申告書に還付金の額に相当する税額の記載がなかったとき。


国税通則法第23条の要旨は、税法の解釈や計算について誤りがあるために、破産者が過大な申告・納税を行っているときは、法定申告期限から1年以内に限り、「更正の請求」をすることができる、ということです。

更正とは、税務署長側が行う手続です。
ということで「更正の請求」とは、納税者側が税務署長に、「こーいう手続してちょーだい」という請求を行うこと、をいいます。

同条においてこの請求をすることができるのは、法定申告期限から1年とされていますから、まずはこの1年以内に更正の請求を出そうよという話になります。
で実際は1年経った後に「税金納めすぎなんじゃないの?」と気づくこともあるわけですが、そんな場合には、仮にこの期間を経過していても、税務署長の職権による更正を受けることができます。

(国税通則法第70条1項)
次の各号に掲げる更正又は賦課決定は、当該各号に定める期限又は日から三年を経過した日以後においては、することができない。

一  更正(第三項の規定に該当するものを除く。) その更正に係る国税の法定申告期限(還付請求申告書に係る当該更正については、当該申告書を提出した日)

二  課税標準申告書の提出を要する国税で当該申告書の提出があつたものに係る賦課決定 当該申告書の提出期限


この第70条は、「法定申告期限から3年を経過したら、税務署長は更正をすることはできない」という規定ですから、逆に言うと、3年以内ならば、税務署長は(職権により)更正をすることができるということになります。
この場合にも実際は、納税者側から税務署長に「更正してくだされ」というお願いを立てることになるわけですが、条文において納税者側に認められた権利ではないので、実務上、納税者側から税務署長に対し「上申書」とか「嘆願書」を提出することになります。(様式問わず)

なお、これらの書類を提出すると必ず還付されるというわけではありません。ただし、法定申告期限から5年を経過していなければ、還付される可能性は残っていますので、やるに越したことはないわけです。


■仮装経理による更正の請求

(法人税法第70条)
内国法人の提出した確定申告書に記載された各事業年度の所得の金額が当該事業年度の課税標準とされるべき所得の金額を超え、かつ、その超える金額のうちに事実を仮装して経理したところに基づくものがある場合において、税務署長が当該事業年度の所得に対する法人税につき更正をしたときは、当該事業年度の所得に対する法人税として納付された金額で政令で定めるもののうち当該更正により減少する部分の金額で当該仮装して経理した金額に係るものは、国税通則法第56条から第58条まで(還付・充当等)の規定にかかわらず、当該更正の日の属する事業年度開始の日から5年以内に開始する各事業年度の所得に対する法人税の額から順次控除する。


この規定は、仮装経理があった場合の更正の請求については、上記の納めすぎた税額については、通常の更正の請求とは異なり直ちに還付されず、「先5年以内に開始する各事業年度の法人税の額から順次控除される」というものです。

仮装経理の修正をし、その修正をした事業年度の確定申告書を提出することにより更正の請求を行うと、過大申告(税金を納めすぎた状態になっている)の分について法人税の還付を受けることができるのですが、還付をさせまくると国家の税収に影響を及ぼす可能性があるだの無いだのという観点から、すぐには還付せず「今後発生するであろう法人税額から控除(相殺)していく」という趣旨です。

ただし破産者の場合は、「破産後の法人税発生の余地はまず無いので、控除されていない残額については直ちに破産管財人に還付される」という扱いをとっています。
従って破産者がこの規定の適用を受け、減額更正がされた場合は、直ちに税額が還付されることとなります。


で、この規定の適用となるのは、「仮装経理による過大申告がされている場合」です。

ここで仮装経理とは「事実を仮装して行った経理」のことをいい、具体的には
 ・架空売上の計上
 ・原価・費用の過少計上(仕入除外など)
のことを指しています。

仮装経理とは、通常は「粉飾決算」と同じ意味合いで取られることが多いのですが、粉飾決算でよくある「減価償却をわざと行わない」「貸倒処理をわざと行わない」というのは、仮装経理には該当しません。
ですから例えば
「この会社は黒字だけど、減価償却をわざと行っていなかった。ここで本来計上できる減価償却費を計上したら、会社として赤字になる。だから今回減価償却費を計上して、会社を赤字にして、納める法人税額をゼロとして計算して、更正の請求を受けよう!」
というスキームはNGということになります。

とはいえ、破産法人がその破産前に粉飾決済をしていることはよくあるので、該当しそうな場合はこの規定の適用が受けられないかどうか、確認してみるとよいでしょう。
 

Home > 破産管財税務 > 過大申告・仮装経理による更正の請求とは?それはどう行うか?

Search
Feeds
Meta

Return to page top