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事業年度・課税期間の規定はどうなっているか?

  • 2011-09-05 (月) 13:00

この前税務署から「破産法人の申告期限が来ているので申告をヨロシク」という連絡があったんです。
破産手続が開始してからまだ4ヶ月くらいしか経っていないんですが、破産した後の、次の申告期間の区切りって、破産開始から1年後じゃないの?
それとも、破産法人についての事業年度の区切り方って、会社法の「清算事務年度」とは違うのかな?


破産の開始決定があった日をもって、事業年度が一旦区切られます。この点については問題になることはほとんど無いのですが、その後の事業年度の期間をどう区切るかは、少々ややこしいので注意が必要です。

結論から先に言うと、破産開始決定後の事業年度については、
 「開始決定があった日の翌日~その事業年度終了の日」
となります。

この期間の末日は
 「その事業年度終了の日」すなわち「当該法人のもともとの決算月」です。
「開始決定から1年後」ではありません。

なるほど。
それは分かったんだけどさぁ、そこら辺の規定ってどうなっているの?法人税法の条文を読んでもイマイチ分からないんだけど。


まず、法人税法においては次のように定められています。

法人税法第13条 (事業年度)

この法律において「事業年度」とは、法人の財産及び損益の計算の単位となる期間(以下この章において「会計期間」という。)で、法令で定めるもの又は法人の定款、寄附行為、規則、規約その他これらに準ずるもの(以下この章において「定款等」という。)に定めるものをいい、・・・

原則として、定款に定めている会計期間が事業年度だよと定めています。次に、

法人税法第14条 (みなし事業年度)

次に掲げる場合に該当することとなったときは、前条の規定にかかわらず、当該各号に定める期間をそれぞれ当該法人の事業年度とみなす。

内国普通法人等が事業年度の中途において解散(合併による解散を除く。)をした場合
→その事業年度開始の日から解散の日までの期間 及び 解散の日の翌日からその事業年度終了の日までの期間

となっています。
破産手続とは清算型の倒産処理手続なので、開始手続が決定されることにより、それまでの会社の営利活動はストップし、清算手続が開始することになります。これにより破産手続が開始すると、清算が始まった場合の規定がまずは適用されるわけです。


ところで、ここで問題になるのが、会社法の規定です。
会社法では、「清算事務年度」という考え方が採り入れられています。

平成21年8月現在、法人税法の基本通達では、「株式会社が解散等をした場合における清算中の事業年度については、その株式会社が定款で定めた事業年度に係わらず、”清算事務年度”になる」となっています。

法人税基本通達1-2-9 (株式会社等が解散等をした場合における清算中の事業年度)

株式会社等が解散等(会社法第475条各号又は一般法人法第206条各号(清算の開始原因)に掲げる場合をいう)をした場合における清算中の事業年度は、当該株式会社等が定款で定めた事業年度にかかわらず、会社法第494条第1項又は一般法人法第227条第1項(貸借対照表等の作成及び保存)に規定する清算事務年度になるのであるから留意する。


この通達中で述べられている「清算事務年度」とは、会社法494条で定めている、解散した株式会社についての事業年度のことです。同条では、株式会社が解散等をした場合において、「その解散等をした日の翌日又はその後毎年その日に応当する日から始まる各1年の期間」を清算事務年度と定めています。
つまり、解散等から1年ごとに区切った期間のことです。

ということでここだけを見ると、この規定が破産の場合にも適用されそうなんですが、注意すべきは「解散等」の範囲です。会社法475条にはこうあります。

会社法475条 (清算の開始原因)

・・・(略)・・・清算の開始原因からは、破産手続開始の決定の場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く


破産手続開始については清算開始にあらずという記述です。
以上から判断するに、法人税法基本通達1-2-9にいう「解散等」には、「破産手続開始」は含まれていません。
従って、破産の場合には上記基本通達1-2-9の適用は無いことになります。ということは、法人税法第14条の規定がそのまま適用されることとなります。


なお余談ですが、株式会社が解散をした後に破産手続に移行するケースも考えられます。
この場合は、解散時点ですでに「清算株式会社」となっているため、会社法494条の適用があることとなります。


また、消費税の課税期間もこれに準じます。

(消費税法基本通達3-2-3)

法人が課税期間の中途において解散した場合には、当該解散した法人の課税期間は、
 ・その事業年度開始の日~法人税法第14条に規定する解散までの日
となり、当該課税期間の翌課税期間は、
 ・当該解散の日の翌日~その事業年度終了の日
までの期間となることに留意する。


しかしこの通達での「解散」に、「破産開始決定」が含まれているかは微妙です。明示されていないようだからです。
同通達最後の(注)に、「解散の日」とは、「株主総会又はこれに順ずる総会等において解散の日を定めたときはその定めた日」云々と記載されているので、ここを拠り所としているのかもしれません。


ということで、この流れに沿って税務署側から申告の案内が来るのが通常です。

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